当て屋の椿 8巻65~72話【あがほとけ/新預言が招く連続怪死事件】★ネタバレ・感想/川下寛次
★当て屋の椿/8巻65~72話【あがほとけ/新預言が招く連続怪死事件】感想・あらすじ・ネタバレ/川下寛次/ヤングアニマル
●ネタバレ・あらすじ●
”ああ愛しい この現世(うつしよ)で この饑(ひだる)い現世に在る 全ての者の中で 二番目に”
・・・
”人には話したくない事が在り--- それは同時に一番話したい 解って欲しい事でも在る”
イノが顔の傷をさらけ出したという事は、きっと聞き手の・・・こちら側の準備がまだなのだろう。
イノはそれを推し量っていて、話せないのだろう・・・。。
そう鳳仙は感じていたけれど、椿はそのデリケートな距離感をものともせず、「顔の傷」のどうでもいいような事について「何で」を連呼・連呼。^^;
かたや鳳仙は、やたらとイノが忠犬のようにそばにいるのに後押しされ、腑抜けた気持ちをやっと立て直し、絵師の仕事を再開する気になります。
ところが久々に吉原に足を踏み入れてみると、鳳仙がしばらく来なかったうちに酷く大賑わいで・・・違和感を感じるほど殺気立っていて。。
だから鳳仙はその異様な人混みに酔ってしまい、ゆで玉子売りの男にぶつかってしまいます。
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でもそのゆで卵売りはとても良い人で、鳳仙を怒ることなく・ヒビが入ってしまった卵を格安で皆に売る気前の良さ。
しかも卵売りは「皆が喜んでくれて嬉しい!!」・「ありがとう兄弟!!」・「良き事あります様に」と鳳仙を励ましてくれまでするのでした。
だけど直後、篝のいる店に春画を描きに行った鳳仙は、「異様過ぎる自殺」に直面。
と言うのも宵草なるその女郎は、約束していた目当ての旦那が来なかったから、号泣しながら激怒し・やけ食いしていたのだけれど・・・。。。
急に鼻血を出したかと思うと、旦那を罵った独り言を後悔するかのように何かに謝り始めて・・・これ以上言葉が漏れないようにと口を覆っていた両手をそのまま口蓋の中へ無理矢理ブチ込み、壮絶な口裂け女のようになって・・・
「ホヒョ・・・ケ・さ・・・が 見て・・・・・・・・る」と悶絶しながら、宵草は窒息死してしまったのでした。
すると鳳仙は、「ホトケさまが見ている」と言うその言葉に、強い違和感を感じたけれど・・・!?
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●感想●
この「あがほとけ」の章はかなり長めで、この8巻のみならず、10巻途中まで続きます(しかも続章も、この話と続いています)。
ここではまず8巻分の感想だけを書きますが、前章の「海処の情け」のちょっとしんみりな話運びとはガラッと変わり、かなり不穏な・・・どこがどうなるとこうなるのか、じとっとした不気味さを感じる様相で。。。
と言うのも、普通ならば片手の第二関節位しか入らないであろう口に両手を拳ごとつっこみ、口裂け・・・と言うより顎の骨ごといってしまっているのではないかと思うような「怪死」な自殺が続き・・・。
しかもそれが、「死にたい」と思って死んでいるのではなく、まるで天罰が下ったかのような状態。。
そして一方で、鈴懸(すずかけ)なる「足萎えの柔和な男」が「託宣」で預言をし始め、怪しげな・・・新興宗教の信徒のような人々が次々と集まり始めます。
そしてこの団体は乱○^^;;;が常なのに、、イノや菖蒲にまでそこの女たちが急接近してて、、危なっかしい・・・!!!
それになんかその「心の隙間」に入って行くツンデレ論法が・・・、、別の意味でや~~~らしくて、どこか気持ち悪い・・・(呆気)。。
でも自己評価が低かったり・生きるのに迷っていたり・何か思うところある人は、引っかかりやすくなってしまっているのかなあ。。
そのまた一方、鈴懸はどうもインチキくさいような託宣をしてるし、それにしては当ててるし・・・。
託宣でも、今回の件で「雁の群れが来るよ」としか言わず怯えている篝とは対照的に、行ってる事は具体的なんだけどね・・・。
それでも菖蒲に言わせると、鈴懸の「饒舌さ」は椿にそっくりらしい。(ある意味納得)
しかも、とにかく胡散臭さがあるから鈴懸が何か悪い作用を引き起こしてるのだろうけれど、今まで出て来た悪役とは完全に異なるのが逆に気味悪いと言うか。
今までの悪役はやたら粗暴だったり・猪突猛進だったり・歪んでいたりしたものの、この鈴懸はある種仏像のような・・・凛としたたたずまいで、腹のうちが読めぬタイプ。。
だからどうなるかと思ったら、、両拳での自..害ではなく、、別の・・・これまた奇怪な方法で、鈴懸の対抗勢力の坊主が惨..殺..されてしまって・・・。
今話結末でも、僧侶側に「呪いのような死」がふりかかってて、謎が深まるばかりです。
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◆当て屋の椿 感想・分析記事一覧 1巻~13巻まで → 当て屋の椿(青年館) ・ 14巻以降 → 当て屋の椿(本館)
新手の悪党にどう椿が対抗するのか、、今までとは違うパターンだけに余計にドキドキハラハラが募ります。
(しっかしまあ、今章も強烈だなあ・・・)(←他作ではなかなか味わえない、濃厚さ/もちろん、いい意味でです。。)
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